相手に対して占いをする場合に大切なことに言葉使いがあります。敬語を使うことが相談者を尊重することになるとは一概にはいえないのです。それは、敬語が心理的な距離を表すことが多いからです。例えば部下などの年下の人間に対して、ですね、おっしゃるのは、などの敬語口調というのはいかにも他人行儀になります。相談者に対して占いをする場合に大切なことは、お互いの関係性やつながりを強くすることですから、関係性をつくりやすい言葉使いが好ましいです。相談相手が若いのなら、若者向けの言葉使いを使ってもいいです。相談者の文化にあわせた方が、相談者も自分の悩みなどを表現しやすくなるのです。それは横柄とかぞんざいとは全く違います。フレンドリーな感情を相手に伝えるためなのです。また、相談者に分かりづらい専門用語などを使うよりも、感覚的にイメージを持ちやすい言葉を選んで使うのも効果的です。
我慢しすぎている、年齢の割に頭の回転が早い方、などと言った方が、相談者の反応も具体的で感情表現的になりやすいのです。その他にも、甲高い声や低いボソボソした声も、お互いの関係性やつながりを作るのに不利だったりします。間のない早口での占いは、相談者に考える余裕を与えにくくなるので注意が必要です。そして、相談者が聞かれて嫌がるような箇所には、初期の段階での占いではふれない方がいいです。それは抵抗が起こるからです。抵抗が起こるとその後の占いの発展が阻止される場合があります。聞かれて嫌がる箇所とは、例えば肉体関係や容姿、収入などがあります。それは、占いをしながら感覚的にキャッチしなければいけません。問題の性質からすると当然触れなければならないと思われるのに、一向に相談者がそれについて喋るふうがない、もしくは喋ってはいるけれど今ひとつ具体性に欠けているというのが、感覚的にキャッチする手がかりとなるのです。相談者が触れられたくなさそうな話題は、相談者との間に信頼できる関係性がついてから触れるのが好ましいです。要するに、占い師が相談者に好意をもっていることが伝わって、そして相談者も好意をもっている、というこの二つの条件が確認された時点で触れるのが好ましいです。
そして相談者との議論などは避けた方がいいです。議論は相手を防御的にするからで、会話が堅苦しくなる場合があるからです。そして大切な感情の表現が乏しくなるので、お互いの関係性が深まってからに行うのがいいです。